転職のきっかけ
社会人7年が経過して、私は転職を決意した。
安定した企業に勤めていたし、仕事のやりがいもあり給与も悪くなく、ワークライフバランスもそこそこ取れていた。まさか自分が転職するとは思ってもいなくて、このままこの会社で定年を迎えると思っていた。
そんなある日人事異動があり、‘鬼’が上司となったのだ。そこから私の日常は大きく変わっていった。
1.口の悪い上司
日経225の企業でこのような倫理観のない人がいると思っていなかったが、兎に角口が悪い。
「おめえ頭悪ぃなあ」、「言葉通じねぇのか」などというのは日常茶飯事で、怒鳴るならまだしも、機嫌が悪いと私の質問を無視する始末。また、「おめぇ聞いてんのか」と会議中椅子まで蹴ってくる。もちろん聞いていた。
自分の部下を自分の道具のように扱い、部下皆にこのような態度で接していたため、さすがに皆で部長に言いつけた。
しかし、部長、動かざること山のごとし。
いや、具体的には動いてくれたのだが、本人に少し言い過ぎなので注意してねと言っただけで終わり。注意したことに満足して、その後も口悪い発言するたびに注意するのみ。
口悪く言われたり、怒鳴られたりすると仕事のパフォーマンスが圧倒的に下がる。
また、言われたらどうしようと考えてしまい、思考が停止してしまうのである。慣れるものかと思っていたが、そんなことはない。自分の感情をだまし、平静を装うが、笑顔の仮面の下で精神は疲れ切ってしまっていた。
言葉の暴力とはよく言ったもので、日に日に自分から笑顔が消えていった。
典型的なパワハラ被害に合った。
2.長時間労働
もう一つ、自分を苦しめたのが長時間労働である。
残業時間は毎月サビ残含め80~100時間くらいで、個人的にはかなりしんどかった。
ブラック企業に勤めている人からすると甘ったれるなと言われそうであるが、その感覚はおかしいと思う。
時代は変化しているし、小さい娘がいる自分としてはそこまで仕事に時間を注ぎ込む意味を感じることができなかった。
「働き方改革」という制度だけを設けることによって、マネジメント層には残業時間を減らせ減らせと口で言うだけで、仕事は減らない。
鬼上司になってから、一つ一つの仕事に対する要求が厳しく、物理的に時間が足りない。皆、今まで残業時間をつけてしていた仕事を家に持ち帰り対応することになった。
仕事が終わらないので残業したい旨を伝えると、仕事の効率が悪いと言われる始末。
マネージャーがマネジメントを放棄しているだけである。
事業計画を進めるための無駄な会議や資料作りに辟易してしまったのもある。人も足りなかったが、どこも足りてないとのことで採用も進まなかった。
口の悪さで精神的にまいって、体力的にもつらくなってきたので転職活動を始めてみる。
ゆとりと言われればそれまでかもしれないが、少なくとも自分はこの仕事環境に耐えることに意味を見いだせなかった。
大企業なのにコンプライアンスなどまるで機能していない。
3.新たなことへの挑戦
上記二つの理由が9割の転職理由である。
対人関係や環境に満足していれば、転職などしない。
どこにいってもそのような人が上司になる可能性はあるし、長時間労働になる可能性もあり、逃げ癖をつけるのはよくないと言われるかもしれないが、それはコントロールしたい側の言い分なので、聞く耳を持つ必要はない。
今を生きているのだから、そこにどう対応すればいいのか考えればいいと思うので、私は転職を決意した。
また、年齢的にも30歳となり、新たな業種に挑戦する最後のチャンスではないかと考えていた。
専門的な知識は重要だと思うのだが、個人的には若いうちに色々経験して勉強し、対応能力を身に着けていきたいと思っていた。(気づいたら7年経過していたが…)
40歳になって、あの業界にもチャレンジしてみたかったなと後悔するよりは、今一歩踏み出して、自分の目で見て確かめてもいいと思った。
疲れ切っていた中、無理やり新たに挑戦することに意味を見出したのかもしれないが、落ち着いてからも挑戦してよかったと考えている。
そんなこんなで転職活動を始めた。自分の経験が少しでも他の人に活かせればいいと思い、活動内容をそのまま書いていきたいと思う。
ありきたりに転職サイトに登録を始めてから内定をもらうまで3か月半を要した。